熟年離婚で準備することは?原因やメリット・デメリットを知り後悔のないようにしよう

熟年離婚で準備することは?原因やメリット・デメリットを知り後悔のないようにしよう
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熟年離婚を考えており、今から少しずつ準備を進めたいけれど、具体的にどのような準備をしたらいいかわからない方もいるのではないでしょうか。

実は熟年離婚にはメリットとデメリットがあり、よく理解して準備をしないと後悔する可能性があります。

今回は、熟年離婚の準備やメリット・デメリット、熟年離婚後の生活や気持ちについて詳しく解説します。

現在熟年離婚を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

目次

熟年離婚の現状とその原因

一般的に熟年離婚とは、長年連れ添った夫婦が離婚することを指す言葉ですが、特に法律上の決まりや定義はありません。

熟年離婚にいたる夫婦は最近ますます増加していますが、一体それはどうしてなのでしょうか。

ここからはその背景や原因について解説します。

熟年離婚の増加とその背景

熟年離婚の増加には、以下のような背景があると考えられます。

【平均寿命が伸びた】

現代の医学の進歩や生活環境の改善などで、男女ともに平均寿命が伸びています。

そのため定年後や子供が独立してからのセカンドライフについて考える機会が増え、悔いのない老後を送るために熟年離婚という選択肢を選ぶケースが増えています。

【女性の社会進出が増えた】

共働きの家庭で、フルタイムで働く女性が昔に比べて増えていることも、熟年離婚の増加の原因となっています。

安定した老後を迎えられるほどの蓄えがあれば、経済的に夫に頼る必要もありません。

そのため、今後の自分の人生は自分のために生きたいと思う女性が増えているのでしょう。

【介護を考える年齢になった】

平均寿命が伸びたことから、老老介護という言葉もあるように、老後は配偶者の介護を余儀なくされるケースが増えています。

自分の残りの人生が介護だけに終わってしまうのは嫌だと感じ、熟年離婚を考える方もも少なくありません。

高齢化社会となった現代日本では、介護保険制度も充実していますし、国からの生活のサポートを受けることが可能です。

そこで、まだ介護を必要としない50代、60代のうちに離婚に踏み切る夫婦も増加しています。

【年金分割制度が始まった】

ずっと専業主婦で夫の収入のみで暮らしていた場合、離婚をすると経済的に困窮してしまうことを考え、思いとどまっていた女性も多くいます。

しかし平成19年から始まった年金分割制度により、専業主婦だった女性も離婚後に夫の年金を一部分割してもらうことが可能になりました。

年金分割制度で離婚後の経済面での不安が減少したことも、熟年離婚の増加に大きな影響を及ぼしているといえるでしょう。

熟年離婚の原因|主な離婚理由とは?

熟年離婚の原因とは具体的にどのようなものがあるのか紹介します。

【性格の不一致】

長く連れ添った夫婦であっても、心の奥底では「性格が合わない」と感じていることがあります。

子供や生活のためにお互いに性格の不一致を見て見ぬふりをしていたものの、定年や子供の独立をきっかけに長年の我慢が限界に達してしまうのです。

特に定年後、一緒に過ごす時間が増えたことで限界を迎えるケースが多いでしょう。

【経済的なストレス】

経済的な問題は夫婦関係に大きな影響を与えます。

定年後に収入が減り、老後の生活費や何かあった時の備えなどに不安を覚えるようになると、経済的なストレスを感じることも多いでしょう。

またお互いの金銭感覚の違いや秘密の借金などが発覚し、夫婦関係にヒビが入ることも少なくありません。

【子育てが終わった後の夫婦間のギャップ】

子どもたちが就職や結婚などで家を出て独立して、いよいよ子育てが終了したと感じてから、熟年離婚に踏み切る夫婦は多いでしょう。

今までは子どもに向けていた目を改めて配偶者に向けるようになると、お互いの気持ちや価値観にギャップを感じ、それが離婚につながることもあります。

同時に自分の人生を見つめ直すきっかけにもなり、違う道を選んだ方がお互いにとって良いのではと思い始めるというケースが多いでしょう。

熟年離婚を決意したら|準備の第一歩

熟年離婚をしようと決意が固まったら、後悔しないための準備を始める必要があります。

ここからは専業主婦と共働きの女性が考えるべき準備と、熟年離婚後の資金について解説します。

専業主婦が考えるべき準備とは?

長年専業主婦をしてきた女性が離婚後に直面するのは、主に生活費や収入といったお金の問題です。

年金分割制度があるとはいえ、年金がもらえる年齢になるまでにはかなりの期間がある方もいるでしょう。

離婚時に少しでも財産があれば、財産分与を請求できます。

財産分与は結婚してから夫婦2人で協力して得た財産を公平に分配することで、対象となる財産と負債は以下のようなものです。

  • 現金や預貯金
  • 不動産
  • 退職金
  • 家具や家電
  • 貴金属
  • へそくり
  • 住宅ローン

離婚する前の準備として、何が財産分与の対象になるかをしっかりとチェックしておきましょう。

また老後のことを考え、年金分割の手続きは忘れずに行う必要があります。

年金関係の手続きは一定の要件を満たす必要があるなど複雑な場合があるため、弁護士や年金相談センターに相談することがおすすめです。

共働きの女性が離婚を考えたときに必要な準備

共働きの家庭で、妻が経済的に自立している場合でも、離婚後に備えて準備が必要です。

離婚後に自分だけの収入で生活できるかどうかを、計算してみましょう。

自分の収入だけでは生活費が足りない場合は、副業や投資などで収入アップを目指すことがおすすめです。

さらに支出の見直しや生活費の管理など、離婚する前からしっかりとお金について考える必要があります。

もちろん共働き夫婦でも婚姻中に得た収入から貯めた預貯金や車・不動産などは、財産分与の対象です。

そのため自分だけではなく配偶者の財産も把握して、財産分与の対象となる財産を確認しておくことが重要です。

熟年離婚後にどれくらいの資金が必要?

熟年離婚後に安心して生活を送るためには、一体どれほどの資金が必要なのでしょうか。

総務省の「家計調査報告」によれば、令和5年度の単身世帯(世帯主の平均59.5歳)の消費支出は、1世帯当たり平均167,620円という結果が出ています。

【参考】総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」

平均的な支出で生活した場合、熟年離婚をしても月に18万円ほどの収入を確保できれば安心して暮らすことができるでしょう。

年金を当てにしている方もいるかもしれませんが、国民年金の受給額は現在月額68,000円で、それだけではとても安心して生活できるとはいえません。

財産分与される財産や年金分割で受け取れる年金の額などから試算し、自分の収入や資産がどのくらいあれば安心して暮らせるのか、どれくらい貯蓄しておくべきかを離婚する前からしっかりと考えておくとよいでしょう。

熟年離婚のメリットとデメリット

熟年離婚にはメリットとデメリットの両方が発生します。

メリット・デメリットをそれぞれみていきましょう。

熟年離婚のメリット|新しい人生の可能性

熟年離婚を選ぶことで得られるメリットを紹介していきます。

長年の不満やストレスから解放され、精神的な自由や自己成長の機会を得られることが、特に50代、60代の女性にとっては大きなメリットです。

【自由な時間が増える】

熟年離婚をすることで得られる一番のメリットは、配偶者に縛られることなく自由な時間を過ごせることです。

長年の不満やストレスから解放されて精神的な自由を得て、自分の人生を好きなように謳歌できます。

【自分自身に集中できる】

結婚をしていた時は子どもの世話や配偶者の世話に追われ、その他にも配偶者の親の介護などずっと誰かのために時間を費やしていた方も多いでしょう。

誰かのために生きることから解放されて、自分自身のことだけに集中できるのも熟年離婚の大きなメリットです。

【経済的な自立が促進される】

熟年離婚をすると、当然ですが経済的に配偶者に頼ることはできません。

それゆえ、経済的に自立し、フルタイムで仕事をしたり収入アップのために資格の勉強をしたりすることになります。

経済的に自立できることは自分への自信に繋がるため、より前向きな気持ちで残りの人生を楽しむことができるでしょう。

熟年離婚のデメリット|経済的・精神的な不安

熟年離婚には、以下のような精神的・経済的なリスクも伴います。

また、孤独感や社会的な変化に直面することもデメリットです。

【経済的な不安(生活費・年金問題)】

専業主婦や今まで配偶者に経済的に依存していた女性にとって、離婚後の生活費や年金の不安が大きなデメリットとなるでしょう。

見切り発車で熟年離婚をして、年金を受給できる年齢になるまでの間に生活に困窮してしまうケースもよくみられます。

【孤独感や社会的サポートの欠如】

熟年離婚をして、今までのしがらみから自由になったと思いきや、ひとりになった孤独感に襲われてしまう方も少なくありません。

定年退職をして今までのように社会との繋がりがなくなってしまうと、急に不安になってしまったり、うつ病などメンタルヘルスに悪影響が出たりすることもあるでしょう。

【老後の生活プランの再構築が必要】

老後はなんとなく配偶者と過ごす生活プランを描いていたけれど、配偶者からの申し出などで熟年離婚に至った場合、老後の生活プランの再構築が必要です。

生活費や医療費などの経済面はもちろん、食事や家事などをこなして健康的に暮らすためにはどうすべきかなど、ライフスタイルについても考え直し、ひとりの生活を成立させる必要があります。

熟年離婚を成功させるためにメリットを最大化する方法

熟年離婚のメリットを最大限に活かすためには、事前にしっかりとした準備が必要です。

【離婚前に資産や年金についての確認をする】

離婚する前に、財産分与の対象となる資産や年金の額などを確認しましょう。

住宅ローンの残高や持ち家の価値は大きな金額の話になるため特に重要です。

持ち家の価値が住宅ローン残高を下回る場合は、家を売って残ったローンが財産分与されてしまうため、必ず確認しましょう。

【新しい趣味や活動を見つける】

熟年離婚後の自由を最大限に謳歌するために、離婚前から新しい趣味や活動を探し始めることもおすすめです。

離婚後に急に自分の時間が増え、何をしたらいいかわからなくなってしまう人は少なくありません。

せっかくの自分の人生を思い切り楽しむために、やりたいことや目標を見つけましょう。

【家族や友人とのコミュニケーションを大切にする】

離婚後にひとりで暮らしていると、認知症や孤独死という事態に陥ることもないとは言いきれません。

子どもや友人など親しい人とのコミュニケーションを大切にして、社会から孤立しないように意識しましょう。

万が一自分の身に何かあった時のためにも、他者との繋がりを持っておくことはとても大切です。

熟年離婚後の生活|女性が直面する現実

熟年離婚後、女性はどのように生活していくのかという現実的な問題について解説します。

熟年離婚で陥りがちな末路も紹介するので、後悔しないためにぜひ最後までご覧ください。

熟年離婚後|女性はどのように生活を立て直すのか?

離婚後の女性が生活を立て直すには、どのように新しい生活を始めれば良いのか疑問に思う方もいるでしょう。

結婚していた時はずっと専業主婦だった女性は特に、経済的な自立が必要です。

今までずっと社会に出ていなかった女性が、離婚してから急に働き始めて生活ができるほどの金額を稼げるとは限りません。

離婚をする前から、経済的な自立に向けて準備をしておきましょう。

熟年離婚後は生活できない?悲惨な現実に備える

熟年離婚後、経済的に苦しんで悲惨な状況に陥ってしまう女性も少なくありません。

財産分与や年金分割がある、と気楽に考えていると、離婚後の生活を立て直すまでに予想外の出費がかかりお金が足りなくなってしまうことも。

悲惨な状況を避けるためには、離婚する前から仕事や住居などを決めて、ひとりで生活できるような見通しを立てておく必要があります。

まずは自分がひとりで暮らしていくためにどれくらいのお金が必要なのかを把握しましょう。

熟年離婚の末路後悔しないために準備すべきこと

熟年離婚後に後悔しないために、事前に準備すべきポイントを紹介します。

まずは生活費を見直しましょう。

単身世帯の平均支出は167,620円ですが、離婚前から離婚後の生活をイメージして余分な支出を避けるように意識していれば、支出を抑えることも可能です。

その次に、離婚後の安定した収入を目指します。

パートからフルタイムで働ける仕事を探したり、定年後も長く働ける仕事に転職を検討したりするのも良いでしょう。

そして、財産分与と年金、離婚にかかる費用を試算します。

財産分与でもらえるお金は急な入院などの非常時に使うと考えて、生活を成り立たせるために必要な金額などをしっかりと計算しましょう。

熟年離婚後の男性の生活と気持ち

熟年離婚後、男性の生活にはどのような変化があるのでしょうか。

ここからは熟年離婚後の男性の生活と気持ちについて解説します。

熟年離婚後の男性の一人暮らし|どのように生活を送るか?

離婚後の男性が一人暮らしするにあたって、困難に感じることは多くあります。

結婚している時、配偶者の作る栄養バランスのとれた料理を食べたり、お酒の飲みすぎを注意されて控えるようにしたりと、健康管理を配偶者任せにしていた男性も多いでしょう。

離婚後に外食やスーパーの総菜ばかり口にしたり、飲酒量が増えたりして健康を損なってしまったケースはよくあります。

仕事をしているとほとんど家事に手が回らず、清潔で健康的な暮らしができなくなってしまう男性は多いでしょう。

離婚後の男性の気持ちとは?その心理状態に迫る

熟年離婚後の男性が感じる心理的な影響を紐解いてみましょう。

熟年離婚後、孤独感に苦しむ男性が多い傾向があります。

長年連れ添った妻がいなくなり、子どもたちも独立している場合、自宅に帰っても話す相手がいません。

仕事以外で会話をする相手がいないことに気づき、喪失感に苛まれてしまうのです。

その他にも、経済的な不安に悩まされることもあります。

離婚の財産分与で持ち家を売却し、預貯金の半分を失い、さらに新たな生活を整えるためにもお金が必要であるため、経済的な損失はかなり大きいでしょう。

さらに仕事をしながら家事をする余裕がなく、食事を外食などで済ませたり、洗濯をコインランドリーにしたりするとまたお金が必要になります。

離婚後に経済的に困窮してしまう男性は、決して少なくありません。

熟年離婚後の生活に向けて|後悔しないために

熟年離婚後の生活が悲惨な末路を迎え、後で後悔しないためにはどうすべきでしょうか。

ここからは熟年離婚で後悔しないために知っておくべきことや、離婚して良かったと思える成功例をご紹介します。

熟年離婚の後悔を避けるために知っておくべきこと

54歳で熟年離婚をして、シングル生活9年目の女性は「貧乏のまま人生を終えることになりそう」とブログに綴っています。

「私の最大の失敗は、正社員にならなかったこと。離婚や別居をして一人でいきていくと決めたなら、やはりパートはやめて正社員になるべきだったのかなって今更思っています」

【引用】「60代小さく暮らす」

このように、熟年離婚後に経済的に困窮する女性は少なくありません。

彼女の場合は夫から逃げ切ることで必死であったため、仕事を変える勇気がなかったそうです。

そういった事情がない場合はまず安定した収入を得られる仕事を探し、離婚後に経済的自立ができる準備が重要です。

50代女性が熟年離婚してよかった理由とは?

50代女性が熟年離婚してよかったと思う理由をご紹介します。

「気持ちが晴れ晴れした。何もかも解放された気分」(55歳・公務員)

「価値観を相手に合わせる必要がなく、ストレスがない」(56歳・フリーランス)

「相手の家族と私との関係が切れ、連絡がこないこと」(51歳・講師)

「精神的に解放され、世界が明るく見えました」(50歳・会社員)

【引用】webeclat「【50代“離婚”の決断】アラフィー女性のリアルな声をお届け」

このように、50代で離婚して良かったと感じる女性は少なくありません。

回答している女性はみなそれぞれに仕事をもっており、社会的・経済的に自立している女性が多い傾向があります。

経済的に自立しているからこそ、後悔のない熟年離婚ができたのではないでしょうか。

熟年離婚は準備が大切!離婚後の生活に備えよう

熟年離婚をした後に「離婚なんかするんじゃなかった」と後悔する人は少なくありません。

その理由のほとんどが、経済的に困窮してしまい、悲惨な暮らしを送るはめになったというものです。

熟年離婚後に後悔しないようにするためには、離婚前からの準備が非常に重要です。

具体的には、離婚にかかる費用や離婚後の生活費などを試算したうえで、安定した生活ができるような仕事を探すことをおすすめします。

熟年離婚をして自由になりたい、と見切り発車で離婚するのではなく、その後の生活をどのように立て直すのか、老後の生活プランはどうするかなど、しっかりと考えてから離婚に踏み切りましょう。

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この記事の監修者

前田祥夢のアバター 前田祥夢 代表弁護士

ご相談の結果、法律の専門家である弁護士として、イチ相談相手として、最善の解決案を提案できるよう、最善を尽くします。

私は「法律的にダメ、できない」ではなく、「ではどうすれば良いのか、何ならできるのか、どこまでできるか」を考え抜きます。

ぜひ依頼者さまの問題解決に向けて伴走させていただけましたら幸いです。

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