離婚や不倫の証拠として有利となる録音音声。
探偵などに頼らなくても、自分だけで収集ができる証拠の一つです。
ただし、やり方によっては法に触れたり、逆に慰謝料請求を受けたりするケースもあります。
では、離婚・不倫の証拠集めは、どのようにして行うのがよいのでしょう。
本記事では、録音で証拠を集める正しい方法や法的リスクについて解説していきます。
証拠となる録音音声を手に入れたい方は、失敗する前にぜひ参考にしてみてください。
離婚・不倫の証拠収集にボイスレコーダーを使う理由と法的効力
まずは、離婚・不倫の証拠収集にボイスレコーダーを使う理由と法的効力を紹介します。
- 離婚・不倫における証拠収集の重要性
- 録音した音声の法的効力
それぞれ詳しくみていきましょう。
離婚・不倫における証拠収集の重要性
離婚や不倫問題には、証拠収集が不可欠です。
証拠があることで、相手は言い逃れできず、嘘も見破れます。
逆に証拠がなければ、不倫の証明ができず、慰謝料請求などで不利になります。
離婚の場合、配偶者が離婚を拒否すれば、離婚原因となる証拠が必要です。
したがって、不倫と離婚どちらであっても証拠が必要ということになります。
そしてその証拠として、非常に有効とされているのが録音された音声です。
場合によっては、慰謝料額が大きく変動する程の動かぬ証拠になることも。
有利に進めるための武器になるので、集められる証拠は集めておきましょう。
録音した音声の法的効力
録音をした音声の法的効力は、一部を除き有効であるといえます。
特に、相手の同意を得て録音した音声は、証拠としての効果も高いでしょう。
一方、プライバシーの侵害となる場所で撮影した音声は、証拠にならないことが多いです。
また同様に、相手の同意がない状態で撮影された音声も、証拠として認められないことも。
したがって録音する場合は、プライバシーを侵害しない場所を選ぶと良いでしょう。
証拠収集におすすめのボイスレコーダー設置場所
続いて、証拠収集におすすめのボイスレコーダー設置場所を、以下3点解説します。
- 配偶者の行動から設置場所を考える
- 配偶者が触れない場所がおすすめ
- しっかりと固定して設置する
それぞれ詳しくみていきましょう。
配偶者の行動から設置場所を考える
ボイスレコーダーを仕掛けるなら、配偶者の行動を予測して仕掛けることが大切です。
配偶者が喋らないところにボイスレコーダーを仕掛けても意味がありません。
車の中で電話をしているなどが分かれば、その場所にボイスレコーダーを仕掛けます。
行動からわからない場合は、もう少し観察するか車内がよいでしょう。
一人で安心していそうな場所を選ぶことがおすすめです。
配偶者が触れない場所がおすすめ
ボイスレコーダーを仕掛ける場合、配偶者が触れない場所に仕掛けるとよいでしょう。
たとえばソファの下や棚の裏、車内なら後部座席の裏など普段触れない場所がベストです。
思いもよらぬ場所に隠すことで、見つかる可能性もぐっと減るでしょう。
しかし、音声が正しく録音できない場所に仕掛けるのはNGです。
たとえば音の出るものの周辺に隠すと、その音が邪魔になり音声が取れない場合があります。
ボイスレコーダーは、配偶者が絶対触らない場所に仕掛けましょう。
しっかりと固定して設置する
ボイスレコーダーを仕掛ける場合、しっかりと固定して設置するようにしましょう。
何かの拍子で外れたりすれば、正しく音声が録音できない可能性があります。
また、何かが落ちる音が配偶者に聞こえれば、仕掛けたことがバレる恐れも。
長期間仕掛ける場合も、仕掛け方の耐久性が問題ないか、確認は必須です。
ボイスレコーダーを仕掛ける際は、しっかりと固定して動かないようにしてください。
ボイスレコーダーを選ぶ際のポイント
続いて、ボイスレコーダーを選ぶ際のポイントについて、以下4点解説していきます。
- 長時間録音が可能
- 音質とサイズ
- 車内でも使える
- 機能が充実している
それぞれ詳しくみていきましょう。
長時間録音が可能
ボイスレコーダーを選ぶ場合は、長時間の録画ができるものを選ぶようにしましょう。
場合によっては、長い時間録画しっぱなしで放置することもあります。
また、移動中に録音しながら移動することもあるでしょう。
録音の途中で電源が落ちていたら、ボイスレコーダーを買った意味がありません。
また録音中バッテリーは大丈夫かと気にしていると、話し合いに集中もできません。
近年はバッテリーが長持ちするボイスレコーダーが豊富に販売されています。
ボイスレコーダーを選ぶ場合は、長時間の録画ができるものを選ぶようにしましょう。
音質とサイズ
ボイスレコーダーを選ぶ際は、音質とサイズにも気を配って下さい。
特に音質は、何を言っているのか聞き取れないと証拠にならないので、最も重要です。
できるだけ、小さい音や遠くの音でも拾えるものを選びましょう。
実際に電気屋で試してみたり、レビューを参考にすることをおすすめします。
そしてサイズも重要で、近年のものは非常に小さく、かつ高性能なものがあります。
特に隠しておいておく場合、大きいと目立ってバレる危険があるでしょう。
ある程度小型で、かつ高音質で撮れるものを選ぶのがベストです。
車内でも使える
ボイスレコーダーを選ぶ場合は、車内でも使えるものを選ぶと良いでしょう。
車内にしかけておけば、不倫相手を乗せた時の会話を証拠として撮ることができます。
場合によっては、肉体関係を持ったことが分かる音声が録音できることも。
仕掛ける場所として、具体的には以下のような場所がおすすめです。
- 助手席シートの裏側に貼り付ける
- ダッシュボードの下に貼り付ける
- 後部座席の下に貼り付ける
できるだけ目につかず、普段触れることがない場所に隠すと見つかりにくいでしょう。
ただし注意点として、車内の色に合ったボイスレコーダーを選ぶようにしてください。
たとえば黒い車内で白いボイスレコーダーだと、目立つし違和感があるのですぐにバレます。
もう一つの注意点として、不倫相手の車内にボイスレコーダーを仕掛けるのはNGです。
これはプライバシーの侵害に当たる行為になってしまい、証拠として使えないことも。
また、パートナーの持ち回り品といった個人の所有物に仕掛けるのもNGです。
場合によっては、違法行為となり損害賠償請求を受ける可能性があります。
車以外にボイスレコーダーを仕掛ける場合、違法行為でないか確認するようにしましょう。
機能が充実している
ボイスレコーダーを選ぶ際には、ある程度の機能が充実している商品を選びましょう。
具体的には、以下のような機能があると安心です。
- 雑音除去機能
- VOR機能(音が聞こえたら録音開始する機能)
雑音の除去機能があれば、ノイズ音をカットしてクリアな音声を録音できます。
音声が取れていても、雑音ばかりで何を言っているかわからなければ、証拠になりません。
ボイスレコーダーを選ぶなら、極力雑音除去機能があるものを選びましょう。
そしてVOR機能も、不倫調査用のボイスレコーダーを選ぶなら欲しい機能です。
VOR機能は、ある程度の大きさの音が鳴ったら録音を開始。
音が小さくなったら録音を終了することができる、非常に便利な機能です。
この機能があれば、バッテリーの心配もなく、ずっと仕掛けたままにすることも可能。
音声データも、音がある部分だけ録音できているので、確認の手間も大幅に省けます。
ボイスレコーダーを選ぶ場合は、上記2つの機能があるものを探してみてください。
ボイスレコーダーを使うべきケース
続いて、ボイスレコーダーを使うべきケースについて、以下2点を解説していきます。
- 浮気や不貞の証拠収集
- DVやモラハラの証拠としての利用方法
それぞれ詳しくみていきましょう。
浮気や不貞の証拠収集
ボイスレコーダーを使うべきケースとして、浮気や不貞の証拠収集が挙げられます。
音声証拠は、非常に大きな証拠になりえる可能性が高いです。
また、話し合いの際に録音をしておくと、言った言わない問題の対策となります。
特に、浮気をしているかどうか確定していない場合は有効です。
ボイスレコーダーを仕掛けて、女性とのやり取りが録音できれば、浮気を確定できます。
また、不貞行為の音声を録音できれば、不倫の重要な証拠として使用可能です。
ボイスレコーダーでの録音は、自分だけでも可能な証拠収集方法です。
可能であれば、違法行為に触れない場所で録音をしてみてください。
DVやモラハラの証拠としての利用方法
ボイスレコーダーの録音は、DVやモラハラを受けている時の証拠として利用可能です。
実際に受けた暴言や脅迫を録音しておくことで、重要な証拠として使えます。
ただし、相手を挑発するなど、発言を促して録音した場合は証拠にならないことも。
難しいですが、相手から行動を仕掛けてくるのを待ちましょう。
不倫・離婚の証拠収集にボイスレコーダーを使用する際の注意点
続いて、不倫・離婚の証拠収集の注意点を、以下5点解説していきます。
- 共用スペース以外に仕掛けない【プライバシー侵害のリスク】
- 家や家具を改造して仕掛けない【器物損壊罪のリスク】
- 録音したものを証拠以外の用途で使わない【プライバシー侵害のリスク】
- 別居宅には仕掛けない【住居侵入罪などのリスク】
- 家の中の録音は第三者に任せない【盗聴・住居侵入罪のリスク】
それぞれ詳しくみていきましょう。
共用スペース以外に仕掛けない【プライバシー侵害のリスク】
ボイスレコーダーは、夫婦の共有スペース以外に仕掛けてはいけません。
共有スペース以外に仕掛けると、プライバシーの侵害になる可能性があるためです。
プライバシーの侵害と認められると、逆に慰謝料を請求されてしまうことも。
たとえば、夫婦で住んでいても、個室は個人の空間です。
リスクがあるので、個室含む共有スペース以外には仕掛けないようにしましょう。
家や家具を改造して仕掛けない【器物損壊罪のリスク】
ボイスレコーダーを家や家具を改造して仕掛けると、器物破損罪となる可能性があります。
器物損壊罪になるケースは主に、他人の所持品を改造したケースです。
たとえば、配偶者の棚を改造してボイスレコーダーを仕掛けると、器物損壊罪に問われます。
一方で、ただ棚に仕掛けるだけなら破損はしていないので、器物損壊罪には問われません。
同様に配偶者の持ち物・家具を破損・改造してしまえば、器物損壊罪に問われる可能性も。
そして器物損壊罪が適用されれば、慰謝料請求を受ける側になる可能性もあります。
ボイスレコーダーは、基本的に家や家具を改造しないように仕掛けましょう。
録音したものを証拠以外の用途で使わない【プライバシー侵害のリスク】
不倫や離婚の証拠として録音した音声は、証拠以外の用途で使用してはいけません。
これは「プライバシーの侵害」となる可能性があるためです。
そしてプライバシーの侵害として認められれば、こちらに慰謝料請求が来ることも。
必要のないリスクを冒さないために、録音音声は証拠以外では使わないようにしましょう。
別居宅には仕掛けない【住居侵入罪などのリスク】
ボイスレコーダーは、別居している配偶者の家にも仕掛けてはいけません。
これは住居侵入罪に抵触するリスクがあるためです。
また同様に、不倫相手の自宅に侵入し仕掛けるのも、住居侵入罪となる可能性が高いです。
もちろん住居侵入罪と認められれば、示談金を支払うことになるでしょう。
リスク回避のためにも、別居宅に侵入してボイスレコーダーを仕掛けるのはやめましょう。
家の中の録音は第三者に任せない【盗聴・住居侵入罪のリスク】
ボイスレコーダーでの、家の中の録音は第三者に任せないようにしましょう。
第三者は家の関係者ではないので、仕掛けると盗聴や住居侵入罪のリスクがあります。
いくら親しい友人や親族でも、上記のリスクがあるので、依頼するのはおすすめしません。
自分の不倫問題に巻き込んでしまうので、ボイスレコーダーは自分で仕掛けましょう。
ボイスレコーダーを使用した際の失敗例
続いて、ボイスレコーダーを使用した際の失敗例を、以下2点解説していきます。
- 録音データの品質が悪いと証拠にならない
- 録音時の誤った使い方によるリスク
それぞれ詳しくみていきましょう。
録音データの品質が悪いと証拠にならない
音声の録音が成功しても、品質が悪いと証拠にならないケースがあります。
何を言っているのか聞き取れなかったり、音が不鮮明だと苦労が水の泡になることも。
ボイスレコーダーまで購入して証拠にならないのは、非常にもったいないです。
したがって、ある程度の品質・機能のボイスレコーダーを選ぶ必要があります。
本記事で紹介したボイスレコーダーの選び方を参考に、失敗しないものを探しましょう。
録音時の誤った使い方によるリスク
ボイスレコーダーを初めて使う時は、必ず最初に説明書を読むようにしましょう。
正しく使用方法を理解していない場合、録音ミスや思わぬトラブルに発展することも。
また、ものによっては音が鳴ることもあります。
音が鳴ってしまうとバレる元になりますし、バレれば警戒されてしまいます。
二度と音声証拠を入手できなくなる可能性もあるため、最新の注意が必要なのです。
ボイスレコーダーを使う場合は、必ず使い方を熟知しておきましょう。
ボイスレコーダーは違法行為にならない方法で使おう
ボイスレコーダーは、不倫や離婚の音声証拠を集めるのに、非常に役立つアイテムです。
上手に使うことで、不倫や離婚協議の動かぬ証拠を手に入れることが可能でしょう。
一方で使い方によっては、違法行為となり、何らかの法律に違反することも。
場合によっては、こちらが慰謝料請求を受けることにもなりかねません。
ボイスレコーダーを使う場合は、違法行為にならないよう注意して使用してください。
証拠の収集方法について不安を覚える場合には、探偵や弁護士に相談することがおすすめです。