慰謝料請求を自分で行う方法!証拠の集め方や書類作成のポイント・注意点

慰謝料請求を自分で行う方法!証拠の集め方や書類作成のポイント・注意点
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慰謝料請求を自分で行うことはできるのでしょうか。

弁護士に依頼して慰謝料請求を行ってもらうことを考えたものの、高額な弁護士費用がかかるのであれば自分で行いたいと考える人もいるでしょう。

そこで本記事では、慰謝料請求を自分で行う方法について、証拠の集め方や書類作成のポイント・注意点を詳しく解説します。

慰謝料請求を自分でしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

 慰謝料請求を自分で行うメリットとリスク

弁護士に依頼せず慰謝料請求を自分で行う場合、メリットとリスクのどちらも理解しておく必要があります。

実際にあなたが慰謝料請求する場合、どちらが自分に合っているかイメージしながらご覧ください

慰謝料請求を自分で行うメリット

慰謝料請求を自分で行う場合は、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 弁護士費用がかからない

弁護士に依頼すると、高額な弁護士費用がかかります。

慰謝料請求を自分で行うのであれば弁護士費用を削減できるため、支出削減につながります。

  • 相手が認めている場合早く解決できる可能性がある

はじめから相手が慰謝料を支払う意思を持っていて証拠が揃っている場合には、自分で慰謝料請求を行ったほうがスムーズに進む可能性があります。

自分で相手との話し合いを進めて、慰謝料の金額や支払い方法、支払い期日などを確定し書面に残せれば、弁護士に依頼しないでも解決まで進めるでしょう。

  • 比較的労力がかからない

弁護士に依頼したり裁判したりするとなると、必要書類が増えて手続きも多くなるため労力がかかります。

慰謝料請求を自分で行うのであれば、相手に内容証明郵便を送って交渉を進めていくことに注力できます。

シンプルな工程でやることも決まっているため、比較的労力がかかりません

  • 相場より高額な慰謝料を支払ってもらえる可能性がある

もし裁判で慰謝料を決める場合、裁判所が慰謝料の相場を判断して決めるため自分の意思が反映されにくくなります

ただ、慰謝料請求を自分で行うのであれば、相場とは違う金額でも自由に決められます

要求する金額に相手が同意するかどうかは別ですが、相手の同意さえ得られれば高額な慰謝料を支払ってもらえる可能性もあるでしょう。

慰謝料請求を自分で行うリスク

慰謝料請求を自分で行う場合は、以下のようなリスクが挙げられます。

  • 法的知識が欠如しミスが増える

法的手続きに関する知識がないと、請求書や内容証明の作成時にミスが発生し、相手に有利な展開を許すことがあります。

  • 相手が弁護士を立てた場合不利になりやすい

相手が弁護士を立てて対応する場合、自力では不利になることが多く、場合によっては反対に訴えられるリスクも存在します。

  • 相場より低い慰謝料で納得させられる

慰謝料請求を自分で行うと、相場より低い金額で納得させられる可能性があります。

交渉が長引くと精神的にも疲弊し、労力がかかるのもデメリットといえるでしょう。

  • より大きなトラブルになる可能性がある

当事者同士で交渉すると、感情的になって結論が出ず平行線のまま進んでいく傾向にあります。

溝がさらに深まって慰謝料の支払いを拒否されたり、より大きなトラブルに発展してしまったり問題が増えてしまう可能性があります。

慰謝料請求を自分で行うための具体的な手順

慰謝料請求を自分で行うときには、どのような手順で進めていけばよいでしょうか。

以下では、慰謝料請求を自分で行うための具体的な手順を解説します。

証拠を集める

自分で慰謝料請求を行い成功させるためには、確実な証拠が必要です。

証拠がないと相手は自分の非を認めず、慰謝料の支払いを拒否する可能性があります。

たとえば、不貞行為やパワハラで慰謝料請求する場合は、以下のようなものが有力な証拠となりえます。

  • 写真
  • 動画(映像)
  • 音声
  • メール
  • SNS投稿
  • ラブホテルの領収書
  • クレジットカード明細

一つでは証拠として弱くても、複数組み合わせることで有力な証拠となりえる可能性があります。

証拠となりえそうなものは、保管しておくようにしましょう。

内容証明を準備する

内容証明とは、請求した内容を法的に証明する文書です。

請求の事実を相手に正式に通知するだけでなく、後々法的な証拠としても利用できます。

証拠を収集したら、相手に内容証明郵便を送付します。

内容証明に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 慰謝料請求の理由(不貞行為や精神的苦痛)
  • 請求金額
  • 支払期限や支払い方法
  • 合意が得られない場合の法的手続きを示唆する一文

慰謝料請求をおこなう

内容証明が相手に届き、反応することで交渉が始まります。

内容証明などの書面にて慰謝料請求すると、相手と対面せず書面のみで淡々とやり取りが進められるため感情的になりにくいメリットがあります。

交渉を経て相手が慰謝料を支払う意思を示せば、交渉成立です。

ただし、相手が内容証明郵便に反応しなかったり交渉で合意を得られなかったりした場合は、裁判に進む可能性があります。

不貞行為や精神的苦痛に基づく慰謝料請求のポイント

不貞行為や精神的苦痛に基づく慰謝料請求は、どのような条件下でできるのでしょうか。

それぞれの場合に分けてポイントを解説します。

不貞行為に対する慰謝料請求

不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことです。

【参照】裁判所「昭和48年11月15日判決」

民法第770条1項1号には、不貞行為が離婚事由になることが規定されています。

不貞行為に対する慰謝料請求が認められるためには、以下の条件を満たしていることが必要です。

  • 不貞行為があったこと(証拠)

不貞行為があったといえるための確かな証拠が必要です。

証拠がないと不倫の事実を認めさせることは困難となり、慰謝料請求ができなくなる可能性があります。

先ほどお伝えしたものに加え、探偵事務所の調査報告書も証拠となる可能性が高いといえます。

  • 不倫相手の故意・過失

不倫相手が婚姻関係について知っていた、または知らなかったことについて過失があることが必要です。

  • 損害の発生

不貞行為に基づく慰謝料請求は、不貞行為によって夫婦関係が悪化したり、離婚することになってしまったりしたことを理由に認められます。

すなわち、不貞行為をした時点ですでに夫婦関係が破綻していた場合には損害が発生していないと考えられるため、慰謝料請求は認められません。

精神的苦痛に対する慰謝料請求

精神的苦痛とは、過度なストレスなどが原因による精神的なダメージを指します。

具体的には、以下のようなものが精神的苦痛にあたるとされています。

  • 相手の言動によって心が傷つき、気分は落ち込み眠れなくなる
  • ネガティブなことを想像して、気分が憂鬱になる
  • 精神的に落ち着きがなくなり、すぐにイライラしてしまう

精神的苦痛に基づく慰謝料請求は、一定の条件下で請求可能です。

民法では、不法行為による損害賠償請求(第709条・710条)と、債務不履行による損害賠償請求(第415条)が認められています。

ただ、精神的苦痛は目に見えないため、どれほどの苦痛なのかは当事者でないとわかりません。

たとえば、精神科に通うほど追い詰められているのであれば、どのような状況と症状で悩まされているのか書面に詳しく記載しましょう。

内容証明の書き方|テンプレートを活用しよう

内容証明を書くときは、テンプレートを活用すると便利です。

インターネットで検索すれば見つかるため、有効活用しましょう。

内容証明の基本的な書き方や文例について解説します。

内容証明の基本的な書き方

内容証明には、記載すべき事項が書かれてないと、慰謝料請求ができなくなる可能性があったり、裁判の証拠として認められなくなったりする可能性があります。

以下に該当する事項をきちんと記載しましょう。

  • 事実(不貞行為やパワハラなど)の概要
  • 請求額とその理由
  • 支払期限と支払方法
  • 合意が得られない場合に法的措置を取る旨

内容証明テンプレートの活用内容証明の書き方が不安な場合は、ネット上のテンプレートを活用することで、正確かつ効率的に書類を作成できます

また、内容証明を書くときは以下の点に注意が必要です。

書式
  • 手書きでもパソコンでも可能
  • 手書きの場合、油性ボールペンが望ましい
用紙
  • 3枚必要(受取人用、差出人用、郵便局保管用)
  • 内容証明専用の用紙もある
  • パソコンで作成すれば複写も簡単にできる
文字数 <縦書き>

  • 1行20字以内、1枚26行以内

<横書き>

以下のうち、いずれかを採用する

  • 1行20字以内、1枚26行以内
  • 1行13字以内、1枚40行以内
  • 1行26字以内、1枚20行以内

※電子内容証明郵便を利用する場合は、1枚1,584文字程度

浮気やハラスメントに対する内容証明の文例

実際に使用される可能性がある内容証明の文例を紹介します。

※以下の文例では、文字数や行内の文字制限を考慮していません。

  • 浮気

不倫相手に対する慰謝料を請求するときの通知書の文例です。

(年月日)

通知書

(相手の住所)

(相手の氏名)殿

貴殿は、私の夫である◯◯と、令和◯年◯月から令和◯年◯月まで、月に複数回にわたって密会を重ね、約◯年◯月間、不貞行為を継続してきました。(以下、「本件行為」と呼ぶ)

私と◯◯の結婚は崩壊し、修復不可能な状態に至りました。

これにより私は、大きな精神的苦痛を受けています。

よって、本件行為についての慰謝料として、不法行為に基づく損害賠償300万円を請求します。

本通知書到着後1週間以内に、下記銀行口座へお振込ください。

(振込先銀行口座)

なお、期限までにお支払いいただけない場合は、直ちに法的措置を講じます。

あらかじめご了承ください。

(自分の住所)

(自分の氏名)

会社に対してパワーハラスメントの慰謝料を請求するときの文例です。

(年月日)

通知書

(相手の住所)

(会社名)

(役職・肩書き)(相手の氏名)殿

私は、◯年◯月◯日から貴社で雇用され、営業部に所属する社員です。

◯年◯月◯日、貴社第2会議室にて貴社人事部長より、以下のような注意を受けました。

「あなたの部下の何名かが、あなたとはもう働きたくないと話している」

「あなたの部下に対するマネジメント能力には、重大な欠陥があると考えている」

私は貴社人事部長に対して、具体的な指摘事項と改善策を尋ねました。

しかし、明確な回答はなく、むしろ「口答えするなど無礼な」「お前みたいなやつは当社には不要」などと威圧的に発言してきて、目の前にある机を何度もたたいていました。

また、自主的な退職を拒否すると、急遽他の部への異動を指示されました。

この異動命令は、おそらく私を退職させようという不当な動機があると考えています。

貴社役員及び社員による上記行為により、私は大きな精神的苦痛を受けています。

貴社は、雇用する社員の生命や身体の健康を安全に配慮すべき「安全配慮義務」を負っているはずです。

しかし、人事部長の上記行為を放置した行為は、安全配慮義務に違反するものです。

人事部長から受けたパワハラ被害により、私は大きな精神的苦痛を受けて休職するに至りました。

この一連のパワハラ行為について、私は貴社に対して慰謝料200万円を請求します。

本通知書到着後1週間以内に、下記銀行口座へお振込ください。

(振込先銀行口座)

なお、期限までにお支払いいただけない場合は、直ちに法的措置を講じます。

あらかじめご了承ください。

(自分の住所)

(自分の氏名)

もし、相手が内容証明に応じない場合は、次のステップとして調停や裁判を検討する必要があります。

慰謝料請求を自分で行う際の注意点

「やはり弁護士に依頼すればよかった」とならないようにするために、慰謝料請求を自分で行う場合には注意したほうがよいことがあります。

慰謝料請求を自分で行う際の注意点について解説します。

  • 感情的になって交渉しない

感情に任せた請求は、相手との交渉を悪化させる可能性があります。

冷静かつ法的に正しい形で請求を進めることが重要です。

  • 脅迫や過剰な請求は避ける

脅迫的な言葉や過剰な要求は、逆に自分が訴えられるリスクがあるため避けましょう。

  • 相手が弁護士を立ててきたら、自分で交渉しない

相手の弁護士に言いくるめられて、相場より低い金額で示談させられてしまう可能性があります。

相手が弁護士を立ててきたら自分で交渉するのはやめて、あなたも弁護士を立てて交渉することも検討しましょう。

  • 逆に訴えられるリスクがあることを頭に入れておく

相手が法的に対応する場合、自分の請求が正当でないと逆に訴えられる可能性があります。

法的根拠をしっかり確認して進める必要があります。

  • 相手が支払いを拒否し続ける場合は、弁護士に相談する

自分でできることは行い、それでも相手が支払いを拒否し続ける場合は、弁護士に相談しましょう。

慰謝料請求が成立しない場合の対応策

慰謝料請求が成立しなかった場合は、裁判や調停で解決を目指すことになります。

対応の流れを順を追って解説します。

交渉が決裂した場合の対応

交渉が決裂した場合は、法的手段(裁判や調停)に進む準備を始めていきます。

特に、言い逃れができないような証拠がしっかり揃っている場合は、法的手段を進めることで解決できる可能性が高まります。

裁判や調停になった場合には、弁護士に依頼しましょう。

弁護士に依頼すれば法律に基づいた正確な交渉が可能となり、慰謝料請求がスムーズに進む傾向にあります。

裁判や調停で解決を目指す

裁判では、証拠に基づいた請求が正当かどうかが判断されます。

裁判になった場合には弁護士のサポートを受けることで、有利に進められるでしょう。

調停では、調停員から慰謝料請求に至った原因などをヒアリングされます。

双方の妥協点を探りながら話し合いがされるため、早期の解決が期待できるでしょう。

合意に至った場合は、法的に効力のある合意書が作成されます。

慰謝料請求を自分で行う場合は、リスクが伴うことを頭に入れて進めていこう

本記事では、慰謝料請求を自分で行う方法について、証拠の集め方や書類作成のポイント・注意点を詳しく解説しました。

慰謝料請求を自分で行えば弁護士費用がかからないため、節約が可能です。

しかし、慰謝料請求を自分で行うことは以下のようなリスクが伴います。

  • 法的知識が欠如し、ミスが増える
  • 相手が弁護士を立てた場合、不利になりやすい
  • 相場より低い慰謝料で納得させられる
  • より大きなトラブルになる可能性がある

リスクを頭に入れた上で、慰謝料請求を自分でするか判断しましょう。

もし、相手が弁護士を立ててきたり、交渉が決裂して裁判や調停に進んでしまったりしたときには、弁護士に相談することがおすすめです。

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この記事の監修者

前田祥夢のアバター 前田祥夢 代表弁護士

ご相談の結果、法律の専門家である弁護士として、イチ相談相手として、最善の解決案を提案できるよう、最善を尽くします。

私は「法律的にダメ、できない」ではなく、「ではどうすれば良いのか、何ならできるのか、どこまでできるか」を考え抜きます。

ぜひ依頼者さまの問題解決に向けて伴走させていただけましたら幸いです。

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