不倫されて慰謝料請求をしたけど、もうすぐ時効が来るからあきらめるしかないのか。
不倫が起こったときに請求する慰謝料請求には「時効」があります。
そして慰謝料請求は、時効を超えてしまえば請求できなくなります。
しかし実は、時効を超えてしまってもとある条件下で慰謝料請求が可能なのです。
本記事では、慰謝料請求の時効や慰謝料請求の2つある期限を紹介します。
時効の延長や中断方法も解説しているのでぜひ参考にしてください。
不倫の慰謝料請求の時効は2パターン
まずは、不倫の慰謝料請求の時効について解説しましょう。
- 不倫の慰謝料請求の基本とは
- 不倫における「消滅時効」とは
- 「除斥期間」の適用範囲
それぞれ詳しく見ていきましょう。
不倫の慰謝料請求の基本とは
不倫の慰謝料請求の基本として、以下の条件に合致する必要があります。
- 婚姻関係であったこと
- 婚姻関係が破綻していないこと
- 不貞行為を行っていること
- 故意・過失が不倫相手に認められること
- 無理やりではなく自由意志で不倫をしていること
さらに、以下のような状況になった場合には、慰謝料の増額が認められることがあります。
- 不倫が原因で離婚をした
- 不倫の回数・期間が長い
- 反省を感じられない場合
- 幼い子供がいる場合
- 妊娠してしまった場合
- 誓約書の約束事を破ってしまった場合
一方で、以下のような状況なら減額されるケースも考えられます。
- 婚姻期間が短い
- 不倫の回数・期間が短い
- ダブル不倫の場合(お互いに慰謝料請求すると相殺するため)
- 夫婦関係が破綻していた場合(慰謝料請求が無効になることも)
- 社会的に制裁を受けていた場合
基本的に、不倫の慰謝料は、被害者の精神的苦痛や不法行為に対して発生するお金です。
被害者の精神的苦痛が強く、うつ病などの病気になってしまった場合も慰謝料が増額する可能性があります。
不倫に対する慰謝料には、条件と増額の可能性がある点を覚えておきましょう。
不倫における「消滅時効」とは
不倫における「消滅時効」は、不倫された側が不貞行為を知った瞬間から3年間です。
そして3年経過してしまった場合には時効となり、慰謝料請求できなくなります。
したがって、基本的には不倫の事実から3年以内に動く必要があるのです。
ただし、条件次第では時効を延ばすこともできます。
時効の伸ばし方は後述しますので、本項目の内容を覚えておいてください。
「除斥期間」の適用範囲
不倫における「除斥期間」は、不貞行為があった日から20年間です。
消滅時効は3年となっていますが、その間に不倫に気づかないこともあります。
そうなれば不倫をしたもの勝ちなので、被害者を守るために除斥期間が設けられました。
したがって、除斥期間の適用範囲は不倫があった日から20年となります。
消滅時効を過ぎても慰謝料請求ができますので、除斥期間は覚えておいてください。
不倫の慰謝料請求が時効にかかる条件
続いて、不倫の慰謝料請求が時効にかかる条件について、以下2点を解説していきます。
- 時効の開始時点はいつ?
- 配偶者の行動が時効に与える影響
知っていれば正しい行動を起こすことができるようになります。
詳しく確認して、ぜひ参考にしてください。
時効の開始時点はいつ?
不倫の時効開始のタイミングは、不倫された側が不倫の事実を知った日からとなります。
勘違いしやすい要素として、不倫の行為が「あった日」は除斥期間の開始時点です。
ややこしい問題ですが、下の表にまとめましたのでご覧ください。
消滅時効 | 不貞行為を知った日から3年 |
除斥期間 | 不貞行為があった日から20年 |
また、上記は混同しやすい問題のため、可能であれば弁護士に相談するなどミスの無いよう立ち回りましょう。
配偶者の行動が時効に与える影響
不倫が起きた時の時効は、配偶者の行動によって変化や影響が発生することがあります。
具体的には、以下のような行動が例です。
- 内容証明郵便の活用
- 裁判上の請求による時効の中断
- 債務の承認を利用する
- 仮差押・仮処分・差押を利用する
上記を行えば時効が延長されます。
また、配偶者の以下の行動によっては慰謝料にも変化が発生します。
- 社会的に制裁を受けさせた場合(減額のケースあり)
- 不倫が理由で離婚した場合(増額のケースあり)
- 不倫が理由で鬱等の病気を発症した場合(増額のケースあり)
ただし、離婚や社会的制裁などでは時効に影響はありません。
また法律問題も関わるため、時効を伸ばしたい場合は弁護士にも相談しましょう。
慰謝料請求の時効を止める方法
続いて、先ほども少しお話しした、時効を止める方法を解説します。
具体的には、以下の4点が挙げられるでしょう。
- 内容証明郵便の活用
- 裁判上の請求による時効の中断
- 債務の承認を利用する
- 仮差押・仮処分・差押を利用する
時効は、正式な方法で大きく伸ばすことが可能です。
時効間近だからとあきらめず、上記の方法を試してみてください。
内容証明郵便の活用
不倫の時効を止めるには、内容証明郵便を活用することが有効です。
内容証明郵便を送付すれば、その時点から6カ月間時効が伸びます。
具体的な送付方法は以下の通りです。
- 送付する内容文章を作成する
- 内容文章をコピーする
- 封筒に入れ差出人や受取人等の必要事項を記載
- 郵便局へ足を運ぶ
- 必ず配達証明・速達など記録の残るオプションを付け発送し完了
ただし、そこまで長い期間の延長ではない点には注意が必要です。
不倫の時効を止めるには内容証明郵便が有効ですが、あくまで一時しのぎと考えましょう。
裁判上の請求による時効の中断
不倫の時効を止めるには、裁判で慰謝料請求をすることが有効です。
判決を下すことができれば、10年時効が延長されます。
また、裁判中に時効が切れてしまっても、時効にはならず裁判を進めることが可能です。
非常に強力な一手のため、証拠が揃っているなら裁判で慰謝料請求する手段も視野に入れるといいでしょう。
債務の承認を利用する
不倫の時効を止めるには、債務の承認を利用すると良いでしょう。
不倫における債務の承認とは、不倫を自白・慰謝料の支払いを認めさせることです。
債務を相手に承認させることができれば、時効はリセットされその日が起算日となります。
ただし、書面に残していない場合は言った言わないの問題になるため、必ず証拠を残しましょう。
また、相手が認めないケースがほとんどなため、なかなか難しい方法と言えます。
債務の承認を利用するなら弁護士の力を借りるなど、有利な状況で対応しましょう。
仮差押・仮処分・差押を利用する
不倫の時効を止めるには、仮差押・仮処分・差押を利用することが有効です。
仮差押・仮処分・差押は、判決が出る前に対象の財産を差し押さえる手続きです。
時効は、手続き完了時点から6カ月延ばすことができます。
不倫の慰謝料請求における注意点
続いて、不倫の慰謝料請求における注意点を以下4点解説していきます。
- 証拠が不足している場合の対処法
- 時効があるからと請求を後回しにしない
- 時効がギリギリ・迎えている場合でも諦めない
- ためらわず専門家(弁護士)に相談する
慰謝料問題は複雑なため、知らないと損するケースも。
ぜひ本章を参考にしてくださいね。
証拠が不足している場合の対処法
不倫問題で慰謝料請求をする場合、必ず「不倫をした証拠」が必要となります。
具体的な証拠としては、以下のとおりです。
- ラブホテルに出入りしている証拠(写真・領収書など)
- 不貞行為がわかるメール・SNS文章
- 不貞行為がわかる音声
- 各明細書(クレカ・ICカードなど)
- 探偵の調査報告書など
上記の証拠は、個人でも入手できますがリスクが高いため、探偵や弁護士に相談すると良いでしょう。
そして、証拠が不足している場合には以下の対策があります。
- あきらめずに自分で証拠を探す
- 弁護士・探偵に相談をする
- 話し合いを行う
ただし、自分でできることには限度がある上、話し合いで否定されればより証拠集めが困難になるケースも。
また、証拠が足りなくても弁護士に相談すれば慰謝料請求ができる可能性もあります。
したがって、証拠が集まらない時はできるだけ弁護士や探偵に依頼・相談しましょう。
時効があるからと請求を後回しにしない
不倫問題で慰謝料請求をする場合は、時効があるからと請求を後回しにしないようにしましょう。
請求を後回しにしてしまうと、記憶がおぼろげになり解決が遅くなる可能性があります。
また、不倫当時は悪いと思っていても、数年後には今更と拒否され話がややこしくなるケースも。
証拠についても、不倫当時の方が相手への効き目は強いため、早めた方が話し合いにも有利です。
何より、慰謝料請求には体力・精神力が必要なので、慰謝料請求をする活力を失う可能性もあります。
不倫問題の慰謝料請求は長引かせるメリットはないので、迅速に解決へ向かわせましょう。
時効がギリギリ・迎えている場合でも諦めない
不倫問題で慰謝料請求をする場合は、時効がギリギリ・過ぎても諦めないことが大切です。
本記事でも紹介したとおり、時効は延長ができたり止めることもできます。
また、一度裁判に持ち込めば、途中で時効が過ぎても大丈夫です。
時効関係の話は複雑なため、弁護士に相談して諦めず、最後まで戦い抜いてください。
ためらわず専門家(弁護士)に相談する
不倫問題で慰謝料請求をする場合は、ためらわず専門家(弁護士)に相談しましょう。
弁護士を雇うには、確かに大きなお金がかかります。
しかし現問題の最悪は、証拠が集まらず慰謝料請求の時効が過ぎ、不倫が有耶無耶になることです。
少なくとも、弁護士に相談すればその場の最善手を打つため、上の状況にはならないでしょう。
一人で対応するのは難しいので、慰謝料問題は専門家である弁護士に相談しましょう。
不倫問題を法律的に解決するために
不倫の慰謝料請求には時効が存在するため、早めの行動が重要です。
ただし、時効は延長することや中断させることも可能でした。
時間が足りないと感じた時は、本記事で紹介した方法で時効を延ばすといいでしょう。
また、不倫問題は非常に複雑で難解なため、弁護士に相談することが大切です。
この記事を参考に、適切な手順で問題解決に向けて進んでください。